「妊娠第4月」を週数に直せるか―死産届の12週ラインを22週と混同しない
第118回医師国家試験 C問題 第5問
国試問題にチャレンジ
死産届が必要な妊娠週数は何週以降か。
- a.8
- b.12
- c.16
- d.20
- e.24
対話形式の解説
ドクター
医学生
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医学生まとめ
死産届の対象は「妊娠第4月以後」、すなわち妊娠12週以降の死児の出産であり、自然死産だけでなく人工妊娠中絶による人工死産も含まれます。死産後7日以内に市町村長へ届け出ることになっており、届出義務者は原則として父で、医師・助産師が作成した死産証書または死胎検案書を添付します。妊娠4か月以上の死胎は埋葬・火葬にも許可が必要で、ここも12週が基準となります。一方、22週は流産と早産の境界、人工妊娠中絶の上限、周産期死亡に含める死産の下限に使われる数字で、死産届の基準とは異なります。週数の区切りを制度ごとに整理しておくことは、国家試験対策だけでなく、産科診療で必要な書類を正しく作成するうえでも欠かせません。
解答・解説
正解はbです
死産の届出は、昭和21年の厚生省令である「死産の届出に関する規程」に基づいて行われる。この規程は死産を「妊娠第4月以後における死児の出産」と定義している。妊娠第4月は妊娠12週0日〜15週6日にあたるので、言い換えると妊娠12週以降の死児の出産が死産であり、届出の対象となる。ここでいう死児とは、娩出後に心拍・随意筋の運動・呼吸のいずれも認められない児をいう。 届出の要点は次のとおりである。 ・期限と届出先:死産後7日以内に、届出人の所在地または死産のあった場所の市町村長へ届け出る。 ・届出義務者:原則は父であり、父が届け出られないときは母、さらに同居人、死産に立ち会った医師・助産師、その他の立会者の順となる。 ・添付書類:医師または助産師が作成した死産証書(立ち会った場合)または死胎検案書(立ち会わなかった場合)を添付する。 したがって、死産届が必要になるのは妊娠12週以降である。
選択肢考察
- ×a. 8
妊娠8週は届出の基準ではない。妊娠12週より前に妊娠が終わった場合、死産届の対象にはならない。なお産科学では妊娠10週未満の児を胎芽、10週以降を胎児とよぶのが一般的だが、この区分も届出の基準とは関係がない。
- ○b. 12
「死産の届出に関する規程」は死産を妊娠第4月以後(=妊娠12週以降)の死児の出産と定めているので、12週以降の死産は届出の対象となる。自然死産だけでなく、人工妊娠中絶による人工死産も12週以降なら届け出なければならない。また墓地、埋葬等に関する法律でも妊娠4か月以上の死胎は死体と同様に扱われ、埋葬・火葬には市町村長の許可が必要となる。
- ×c. 16
妊娠16週は妊娠第5月の始まりにあたる。届出の基準はそれより1か月早い妊娠第4月(12週)であり、12〜15週の死産も届け出なければならない。
- ×d. 20
妊娠20週は死産届の基準ではない。混同しやすいのは妊娠22週という区切りである。妊娠22週未満の妊娠終了が流産、母体保護法で人工妊娠中絶が認められるのが妊娠22週未満、周産期死亡に含める死産が妊娠満22週以後と、いずれも22週で区切られており、20週ではない。
- ×e. 24
妊娠24週は死産届の基準ではない。12週以降であれば週数を問わず届出が必要であり、24週以降に限られるわけではない。
死産と流産・出生の関係
・死産(届出上の定義):妊娠12週以降の死児の出産。自然死産と人工死産(人工妊娠中絶による)に分けられる。 ・流産(医学的定義):妊娠22週未満に妊娠が終わること。したがって妊娠12〜21週の流産は、届出上は死産として扱われる。 ・児が娩出後にわずかでも生命徴候(心拍・呼吸など)を示し、その後に死亡した場合は、死産ではなく出生と死亡にあたる。このときは出生届と死亡届(死亡診断書を添付)を提出する。
週数による主な区切り
・12週:死産届の対象となり、死胎の埋葬・火葬に許可が必要となる。 ・22週:流産と早産の境界、人工妊娠中絶が許される上限(22週未満)、周産期死亡に含める死産の下限(22週以後)。 ・37週:早産と正期産の境界。
関連する指標
・死産率=死産数/出産数(出生数+死産数)×1,000 ・周産期死亡率=(妊娠満22週以後の死産数+早期新生児死亡数)/(出生数+妊娠満22週以後の死産数)×1,000 早期新生児死亡は生後1週未満の死亡である。
POINT
・死産届は妊娠12週(妊娠第4月)以降の死児の出産が対象であり、人工死産も含む。 ・死産後7日以内に市町村長へ届け出る。届出義務者は原則として父である。 ・医師・助産師が作成した死産証書または死胎検案書を添付する。 ・22週(流産・中絶の上限・周産期死亡)の区切りと混同しない。
