「3職種」で支える地域の相談窓口―地域包括支援センターの顔ぶれを覚えよう
第120回医師国家試験 F問題 第35問
国試問題にチャレンジ
地域包括支援センターに配置が義務付けられているのはどれか。3つ選べ。
- a.保健師
- b.介護福祉士
- c.社会福祉士
- d.理学療法士
- e.主任介護支援専門員〈ケアマネジャー〉
対話形式の解説
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクターまとめ
地域包括支援センターは介護保険法に基づき市町村が設置する(委託も可)、高齢者の総合的な相談・支援の拠点で、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種の配置が定められています。業務は介護予防ケアマネジメント(保健師が中心)、総合相談支援と権利擁護(社会福祉士が中心)、包括的・継続的ケアマネジメント支援(主任ケアマネジャーが中心)の4本柱で、職種と業務を対応づけると覚えやすくなります。介護福祉士や理学療法士は介護・リハビリを直接提供する重要な職種ですが配置義務はなく、医師も含まれません。センターは地域包括ケアシステムの中核であり、医師にとっても独居・認知症・虐待疑いなどの高齢患者を地域の支援につなぐ窓口として実践的な知識です。
解答・解説
正解はa, c, eです
地域包括支援センターは、2005年の介護保険法改正で創設され(2006年度から設置)、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、保健・医療・福祉・介護の面から総合的に支える「地域の相談窓口」である。設置主体は市町村で、社会福祉法人などに運営を委託することもできる。 センターには大きく4つの業務がある。①介護予防ケアマネジメント(要支援者などの介護予防の計画づくり)、②総合相談支援(高齢者や家族からのあらゆる相談を受け、適切な機関・制度につなぐ)、③権利擁護(高齢者虐待への対応、成年後見制度の活用支援、消費者被害の防止など)、④包括的・継続的ケアマネジメント支援(地域のケアマネジャーへの助言・指導、関係機関とのネットワークづくり)である。 これらの業務に対応する専門職として、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の3職種を置くことが定められている(原則として担当区域の第1号被保険者3,000〜6,000人ごとに各1人、常勤・専従)。3職種がそれぞれの専門性を生かしつつ、チームとして連携して支援にあたる点が特徴である。 設問では、この「3職種」を覚えているかが問われている。介護福祉士や理学療法士は高齢者の介護・リハビリテーションに欠かせない専門職であるが、センターへの配置義務はない。
選択肢考察
- ○a. 保健師
正しい。保健師は地域包括支援センターへの配置が定められた3職種の一つである。主に介護予防ケアマネジメントを担い、要支援者や心身機能が低下しつつある高齢者(事業対象者)に対して、健康状態を評価し、介護予防・健康増進のための支援計画づくりや保健指導を行う。なお、保健師の確保が難しい場合には、地域ケアや公衆衛生の業務経験のある看護師で代えることが認められている。
- ×b. 介護福祉士
誤り。介護福祉士は、身体や精神の障害により日常生活に支障のある人に対し、入浴・排泄・食事・更衣・移動などの介護を行い、本人や介護者に介護に関する指導を行う国家資格である。主に特別養護老人ホームなどの介護施設や訪問介護事業所で、介護サービスを直接提供する立場で働く。地域包括支援センターへの配置義務はない。
- ○c. 社会福祉士
正しい。社会福祉士は、身体・精神の障害や環境上の理由で日常生活に困難を抱える人の相談に応じ、助言・指導や福祉サービス・関係者との連絡調整を行うソーシャルワーカーの国家資格である。地域包括支援センターでは主に総合相談支援と権利擁護を担い、生活や経済面の困りごとへの対応、高齢者虐待の早期発見と対応、成年後見制度の利用支援、悪質な訪問販売などの消費者被害の防止などにあたる。配置が定められた3職種の一つである。
- ×d. 理学療法士
誤り。理学療法士は、身体に障害のある人や障害が予測される人に対し、運動療法や物理療法(温熱・電気など)を用いて、起き上がる・座る・立つ・歩くといった基本動作能力の回復・維持を図る国家資格である。病院のほか、介護老人保健施設や通所・訪問リハビリテーションなどで働く。介護予防事業に協力することはあるが、地域包括支援センターへの配置義務はない。
- ○e. 主任介護支援専門員〈ケアマネジャー〉
正しい。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、要介護者などの状態や希望を把握してケアプラン(介護サービス計画)を作成し、サービス事業者との調整を行う専門職である。主任介護支援専門員は、ケアマネジャーとして一定の実務経験を積んだ者が所定の研修を修了して得る上位の位置づけで、他のケアマネジャーへの助言・指導を担う。地域包括支援センターでは主に包括的・継続的ケアマネジメント支援を担当し、地域のケアマネジャーが抱える支援困難事例への助言、医療機関を含む関係機関とのネットワークづくりなどを行う。配置が定められた3職種の一つである。
地域包括支援センターの概要
・根拠法: 介護保険法(2005年改正で創設、2006年度から設置) ・設置主体: 市町村(社会福祉法人や医療法人などへの委託も可) ・おおむね中学校区程度の日常生活圏域ごとの設置が想定されており、全国に5,000か所以上ある。 ・職員: 保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種
4つの主な業務と中心となる職種
・介護予防ケアマネジメント: 保健師が中心 ・総合相談支援: 社会福祉士が中心(3職種共通の業務でもある) ・権利擁護(虐待対応、成年後見制度の活用支援、消費者被害防止): 社会福祉士が中心 ・包括的・継続的ケアマネジメント支援: 主任介護支援専門員が中心 このほか、要支援者の介護予防支援(介護予防ケアプランの作成)も担い、地域ケア会議の開催を通じて個別事例の検討や地域課題の把握にも取り組む。
地域包括ケアシステムとの関係
地域包括ケアシステムは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する体制である。地域包括支援センターは、その中核的な機関として位置づけられている。
POINT
・地域包括支援センターに配置が定められているのは、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種である。 ・根拠法は介護保険法、設置主体は市町村(委託可)。 ・業務は介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援の4本柱。 ・介護福祉士、理学療法士、医師は配置義務の対象ではない。
