40歳から払い、所得で変わる―介護保険料のしくみを一気に整理する
第119回医師国家試験 C問題 第7問
国試問題にチャレンジ
介護保険で正しいのはどれか。
- a.保険料は79歳まで支払う。
- b.保険料は全市町村で同じである。
- c.保険料は65歳から納付義務がある。
- d.サービス利用で自己負担は生じない。
- e.所得によって支払う保険料が異なる。
対話形式の解説
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
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医学生
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医学生
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医学生
ドクター
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ドクターまとめ
介護保険の保険者は市町村(特別区を含む)であり、保険料は地域の介護給付費の見込みに基づいて市町村ごとに定められ、3年ごとに見直されます。40〜64歳の医療保険加入者は第2号被保険者、65歳以上は第1号被保険者として、40歳から年齢の上限なく保険料を納め、その額は所得段階や給与・所得に応じて異なります。サービス利用時は原則1割、一定以上所得の第1号被保険者は2割または3割の自己負担があり、第2号被保険者は16種類の特定疾病が原因の場合に限って給付を受けられます。要介護認定には医師の主治医意見書が欠かせないため、制度の骨格を理解しておくことは、臨床で患者さんの生活を支えるうえでも重要です。
解答・解説
正解はeです
問われていること
介護保険制度の保険料(誰が、いつから、いくら払うのか)とサービス利用時の自己負担について、基本的な仕組みを問う問題である。
制度の骨格
・保険者:市町村および特別区(東京23区)。広域連合が担う地域もある。 ・被保険者:第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。したがって保険料の納付義務は40歳から生じ、その後は年齢の上限なく生涯続く。 ・保険料の決め方:第1号被保険者の保険料は、各市町村が3年ごとに策定する介護保険事業計画に基づいて基準額を定め、本人や世帯の所得・住民税課税状況に応じた段階別(国の標準は13段階)の額となる。第2号被保険者の保険料は加入している医療保険の保険料と一体で徴収され、給与や所得に応じて算定される。 ・自己負担:サービス利用時は原則1割を負担し、一定以上の所得がある第1号被保険者は2割または3割となる。
考え方
「40歳から生涯払う」「市町村ごとに異なる」「所得に応じて変わる」「原則1割の自己負担がある」の4点を押さえていれば、各選択肢の正誤を判断できる。
選択肢考察
- ×a. 保険料は79歳まで支払う。
介護保険料の納付に年齢の上限はない。40歳に達すると第2号被保険者として納付が始まり、65歳以降は第1号被保険者として生涯納付を続ける。75歳で後期高齢者医療制度に移行した後も、介護保険料は別に納める。79歳で終わるという規定はない。
- ×b. 保険料は全市町村で同じである。
介護保険の保険者は市町村であり、第1号被保険者の保険料基準額は、その市町村で見込まれる介護サービスの総量(給付費)と被保険者数などをもとに市町村ごとに設定される。高齢化率やサービス基盤の整備状況などによって給付費が異なるため、保険料は市町村によって大きく異なり、3年ごとに見直される。
- ×c. 保険料は65歳から納付義務がある。
保険料の納付義務は40歳から生じる。40〜64歳の医療保険加入者は第2号被保険者として、医療保険の保険料に上乗せする形で介護保険料を納める。65歳は第1号被保険者に切り替わる年齢であり、納付が始まる年齢ではない。
- ×d. サービス利用で自己負担は生じない。
介護サービスを利用すると、原則として費用の1割を利用者が負担する。一定以上の所得がある第1号被保険者は2割、特に所得の高い者は3割負担となる。ほかに、施設サービスなどでは居住費・食費が原則自己負担となる。なお、ケアプランの作成(居宅介護支援)には利用者負担がない。自己負担が過大にならないよう、月ごとの上限を超えた分が払い戻される高額介護サービス費の制度もある。
- ○e. 所得によって支払う保険料が異なる。
第1号被保険者の保険料は、市町村が定める基準額に、本人の所得や住民税の課税状況、世帯の課税状況に応じた割合を掛けて決まる所得段階別の定額制で、所得が高いほど保険料は高くなる。第2号被保険者の保険料も、被用者保険では給与(標準報酬)に保険料率を掛けて、国民健康保険では所得などに応じて算定されるため、所得によって額が異なる。したがってこの記述は正しい。
介護保険の被保険者
・第1号被保険者(65歳以上) 受給要件:要介護・要支援の状態であれば原因を問わない。 保険料徴収:年額18万円以上の年金受給者は年金から天引き(特別徴収)、それ以外は市町村が直接徴収(普通徴収)。 ・第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者) 受給要件:要介護・要支援の状態が、末期がん、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、脳血管疾患など加齢に伴う16種類の特定疾病によって生じた場合に限られる。 保険料徴収:医療保険者が医療保険料と一緒に徴収する。
財源構成
介護給付費から利用者負担を除いた部分は、公費50%と保険料50%でまかなわれる。公費の内訳は、居宅給付費では国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%(施設等給付費では国20%、都道府県17.5%、市町村12.5%)。保険料部分は第1号被保険者と第2号被保険者の人数比に応じて按分され、現在はおおむね第1号23%、第2号27%である。
利用者負担の推移
制度創設(2000年)時は一律1割であった。2015年8月から一定以上所得のある第1号被保険者は2割、2018年8月からそのうち特に所得の高い者は3割となった。第2号被保険者は所得にかかわらず1割である。
サービス利用の流れ
市町村に要介護認定を申請し、主治医意見書と認定調査に基づく審査判定で要支援1・2、要介護1〜5のいずれかに認定される。その後、ケアプランを作成してサービスを利用する。
POINT
・保険者は市町村。保険料は市町村ごとに異なり、3年ごとに見直される。 ・保険料の納付は40歳から始まり、年齢上限はない(65歳からではない)。 ・第1号被保険者の保険料は所得段階別で、所得によって異なる。 ・利用者負担は原則1割、一定以上所得の第1号被保険者は2割または3割。 ・給付財源は公費50%、保険料50%。
