教育は「管轄外」―国民生活基礎調査がとらえる5つの柱
第119回医師国家試験 F問題 第10問
国試問題にチャレンジ
国民生活基礎調査に含まれないのはどれか。
- a.医療
- b.教育
- c.所得
- d.福祉
- e.保健
対話形式の解説
ドクター
医学生
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医学生
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医学生
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医学生
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医学生
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医学生
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ドクターまとめ
国民生活基礎調査は厚生労働省が実施する基幹統計調査で、保健・医療・福祉・年金・所得といった国民生活の基礎的事項を世帯単位で把握することを目的としており、教育は文部科学省の所管で学校基本調査などにより把握されるため、調査目的に含まれません。大規模調査は3年ごとに世帯票・健康票・介護票・所得票・貯蓄票で行われ、中間年は世帯票と所得票による簡易調査が行われます。有訴者率・通院者率、介護が必要となった原因や主な介護者の状況、相対的貧困率などはこの調査から得られる代表的な指標です。患者調査、国民健康・栄養調査、国勢調査などと「実施主体・対象・調べる内容」で対比して整理しておくと、統計問題に強くなるだけでなく、地域の健康課題や介護の実態を数字で捉える力にもつながります。
解答・解説
正解はbです
国民生活基礎調査は厚生労働省が実施する基幹統計調査(統計法に基づき、国の行政上特に重要な統計を作るための調査)であり、国民生活の基礎的事項として「保健・医療・福祉・年金・所得」などを世帯単位で一体的に把握することを目的としている。厚生労働省の所管する政策分野を横断的に捉える調査であるから、その範囲に入るかどうかで考えればよい。 医療・所得・福祉・保健はいずれも厚生労働行政の中心的な分野であり、調査票(世帯票・健康票・介護票・所得票・貯蓄票)で具体的に尋ねられている。一方、教育は文部科学省の所管であり、学校教育の実態は学校基本調査などで把握される。したがって、国民生活基礎調査の調査目的に含まれないのは教育である。
選択肢考察
- ×a. 医療
含まれる。世帯票で世帯員の医療保険の加入状況を、健康票で傷病による通院の有無や通院している傷病名などを調べている。通院者率はこの調査から得られる代表的な指標である。
- ○b. 教育
含まれない。教育は文部科学省の所管分野で、在学者数・教員数・進学率などは学校基本調査で把握されている。国民生活基礎調査の世帯票には世帯員の在学・卒業の状況を問う欄が設けられてはいるが、これは世帯員の属性を把握するための付随的な項目であり、調査の目的として教育分野を扱っているわけではない。調査の趣旨(保健・医療・福祉・年金・所得)から外れる分野として教育を選ぶのが妥当である。
- ×c. 所得
含まれる。所得票で前年1年間の所得の種類別金額(稼働所得、公的年金・恩給など)や税・社会保険料の負担、生活意識(生活が苦しいかどうか)を調べる。世帯の所得分布や相対的貧困率の算出にも用いられる。
- ×d. 福祉
含まれる。介護票で要介護度、介護が必要となった原因、介護サービスの利用状況、主な介護者の続柄や介護時間などを調べており、介護を中心とした福祉の実態を把握している。公的年金の受給・加入状況も世帯票で調べる。
- ×e. 保健
含まれる。健康票で自覚症状の有無(有訴者率)、健康意識、こころの状態、喫煙・飲酒の状況、健診(健康診断)やがん検診の受診状況などを調べている。
国民生活基礎調査の概要
・実施主体: 厚生労働省。統計法に基づく基幹統計調査である。 ・目的: 保健・医療・福祉・年金・所得など国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画・立案に必要な基礎資料を得ること。あわせて、厚生労働省が行う他の調査の対象を抽出するための親標本を設定する役割も持つ。 ・周期: 3年ごとに大規模調査(直近は2022年、次回は2025年)を行い、その間の各年は簡易調査(世帯票と所得票のみ)を行う。 ・対象: 全国の世帯および世帯員を、国勢調査の調査区から無作為に抽出して調べる標本調査である。
調査票と主な内容
・世帯票: 世帯構造(単独世帯など)、世帯員の続柄・性・出生年月・配偶者の有無、医療保険の加入状況、公的年金・恩給の受給や加入状況、就業状況、家計支出総額など ・健康票: 自覚症状(有訴者率)、通院状況(通院者率)、健康意識、こころの状態、健診・がん検診の受診状況など ・介護票: 要介護度、介護が必要となった原因、介護サービスの利用状況、主な介護者と介護時間など ・所得票: 前年1年間の種類別所得金額、課税・社会保険料の状況、生活意識など ・貯蓄票: 貯蓄現在高、借入金残高など
この調査から得られる代表的な数値
・有訴者率・通院者率(自覚症状では腰痛・肩こりなど、通院では高血圧症などが上位) ・介護が必要となった主な原因(認知症、脳血管疾患、骨折・転倒、高齢による衰弱など) ・同居の主な介護者の性・年齢(老老介護の実態) ・世帯構造の推移、高齢者世帯の割合 ・相対的貧困率、子どもの貧困率
他の主な調査との区別
・学校基本調査(文部科学省): 学校数・在学者数・進学率など教育の基本統計 ・患者調査(厚生労働省): 医療施設側から推計患者数・受療率・平均在院日数を把握 ・国民健康・栄養調査(厚生労働省、健康増進法に基づく): 身体状況・栄養摂取量・生活習慣 ・国勢調査(総務省): 人口・世帯の全数調査(5年ごと)
POINT
・国民生活基礎調査は厚生労働省の基幹統計調査で、「保健・医療・福祉・年金・所得」を世帯単位で把握する。 ・大規模調査は3年ごと(世帯票・健康票・介護票・所得票・貯蓄票)、中間年は簡易調査(世帯票・所得票)。 ・有訴者率・通院者率、介護が必要となった原因、主な介護者の状況、相対的貧困率はこの調査から得られる。 ・教育は調査の目的に含まれず、学校基本調査(文部科学省)で把握する。
