「4人に1人」をつかめば解ける―数字で見る日本の高齢化のスピード
第107回医師国家試験 B問題 第19問
国試問題にチャレンジ
平成22年の我が国の65歳以上の人口の割合に最も近いのはどれか。
- a.5%
- b.15%
- c.25%
- d.35%
- e.45%
対話形式の解説
ドクター
医学生
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ドクターまとめ
平成22年(2010年)の国勢調査による65歳以上人口の割合(高齢化率)は23.0%で、選択肢の中では25%が最も近く、「4人に1人に迫る」という感覚で解答できます。高齢化率は7%超で高齢化社会、14%超で高齢社会、21%超で超高齢社会とされ、日本はそれぞれ1970年、1994年、2007年に到達しており、7%から14%までの倍加年数が約24年と欧米より著しく短いのが特徴です。その後も高齢化は進み、2020年の国勢調査では約28.6%、2020年代半ばには約29%となり、将来推計では2040年ごろに約35%に達すると見込まれています。統計値は年次で変わるため最新の値を押さえるとともに、年齢3区分や老年人口指数の定義も整理しておくことが、試験対策だけでなく高齢者医療の現場を理解する土台になります。
解答・解説
正解はcです
我が国の人口高齢化の程度を、数値でおおよそ把握しているかを問う問題である。 総人口に占める65歳以上人口(老年人口)の割合を高齢化率(老年人口割合)とよぶ。平成22年(2010年)の国勢調査では、65歳以上人口は約2,900万人で、総人口の23.0%であった。選択肢の中でこれに最も近いのは25%である。 当時からよく言われていた「国民の4人に1人以上が高齢者」という感覚をもっていれば、それだけで選べる。65歳以上人口のうち約半数(総人口の約11%)を75歳以上の後期高齢者が占めていた。 なお本問は古い年次の統計値を問うており、現在の国試対策としての有用性は低い。現在は最新の値(2020年代で約29%)を押さえておく必要がある。
選択肢考察
- ×a. 5%
高齢化率5%前後は、第二次世界大戦前後から1950年(約4.9%)ごろの我が国の水準である。現在では高齢化が進んでいない途上国にみられる値であり、平成22年の値とはかけ離れている。
- ×b. 15%
我が国の高齢化率が14%を超えて「高齢社会」に入ったのは1994年であり、15%前後はおおむね1990年代半ばから後半の水準である。平成22年にはすでに20%を大きく超えていたので誤りである。
- ○c. 25%
平成22年の国勢調査による65歳以上人口の割合は23.0%であり、選択肢の中で最も近い。その後も上昇が続き、平成25年(2013年)には25%に達し、4人に1人が高齢者という状況になった。
- ×d. 35%
高齢化率35%前後は、将来推計で2040年ごろに到達すると見込まれている水準である。平成22年の値としては高すぎる。
- ×e. 45%
高齢化率45%は、将来推計でも全国平均として想定されていない水準である。一部の過疎地域の市町村ではみられるが、平成22年の全国値ではない。
高齢化の段階を表す用語(一般的な目安)
・高齢化社会: 高齢化率7%超(我が国は1970年に到達) ・高齢社会: 14%超(1994年) ・超高齢社会: 21%超(2007年) 我が国が7%から14%に達するまでにかかった年数(倍加年数)は約24年である。欧米諸国(フランス約115年、スウェーデン約85年など)と比べて著しく短く、高齢化の速さが特徴である。
高齢化率の推移(おおよその値)
・1950年: 約5% ・1970年: 約7% ・1994年: 約14% ・2010年: 23.0%(国勢調査) ・2013年: 25% ・2020年: 約28.6%(国勢調査) ・2020年代半ば: 約29%(高齢者人口は約3,600万人) 2020年代には75歳以上人口が65〜74歳人口を上回っている。将来推計では2040年ごろに約35%、2070年には約39%に達すると見込まれている。
年齢3区分
・年少人口: 0〜14歳 ・生産年齢人口: 15〜64歳 ・老年人口: 65歳以上 老年人口指数は(老年人口÷生産年齢人口)×100で求める。この指数は、現役世代何人で高齢者1人を支えるかの指標として使われる。
POINT
・平成22年(2010年)の高齢化率は23.0%であり、4人に1人に迫る水準であった。 ・現在の高齢化率は約29%であり、約3.5人に1人が65歳以上である。 ・高齢化社会は7%、高齢社会は14%、超高齢社会は21%が目安である。我が国は2007年に超高齢社会となった。 ・統計値は最新のものを押さえておくこと。
