StudyMed医師国家試験

8.33÷0.49=17―Kaup指数で読む乳児の「ちょうどいい体格」

第113回医師国家試験 F問題 第21問

国試問題にチャレンジ

第113回 F問題 第21問

10か月の乳児。乳幼児健康診査の結果を示す。  身長70cm,体重8,330g,頭囲40cm,胸囲43cm。  Kaup指数はどれか。

  1. a.13
  2. b.15
  3. c.17
  4. d.19
  5. e.21

対話形式の解説

ドクタードクター
今回は乳幼児健診の計測値から体格指数を計算する問題だ。ポイントは、どの指数を使うか、どの数値を使うか、そして単位をそろえること。この3つさえ押さえれば確実に得点できるよ。まず、Kaup指数の式は覚えているかな。
医学生医学生
体重を身長の二乗で割る…成人のBMIと同じ式だったと思います。
ドクタードクター
その通り。Kaup指数は体重(kg)÷身長(m)²で、計算式はBMIとまったく同じなんだ。乳幼児、おおむね3か月から5歳ごろまでの体格評価に使われる。では、実際に計算してみよう。
医学生医学生
体重8,330gを身長70の二乗で割ると…あれ、ものすごく小さい数字になって、選択肢にありません。
ドクタードクター
典型的なつまずきだね。gとcmのまま計算すると桁がずれてしまう。まずkgとmに直そう。体重は8.33kg、身長は0.70mだ。
医学生医学生
0.70の二乗が0.49なので、8.33÷0.49で…17.0ですね。
ドクタードクター
正解。g・cmのまま計算したいなら、体重(g)÷身長(cm)²に10を掛ければいい。8,330÷4,900×10でやはり17になる。どちらの方法でも答えは一致するから、試験では検算として両方試してもいいね。
医学生医学生
頭囲と胸囲は計算に使わないんですか。CBTのときも、使わない数値が並んでいると何かの引っかけかと迷った記憶があります。
ドクタードクター
Kaup指数に使うのは身長と体重だけ。頭囲や胸囲は計算には関係しない情報だと考えていい。ただ、発育の評価としては意味があって、胸囲は1歳ごろまでに頭囲と同じくらいになり、その後は上回る。10か月で胸囲が頭囲より大きいのは矛盾しない所見だね。
医学生医学生
ほかの選択肢の数値は、それぞれどういう評価になるんですか。
ドクタードクター
評価基準は文献や年齢で多少幅があるけれど、おおむね15〜18が標準とされる。13は明らかなやせ、15は標準の下限付近、19は肥満傾向、21は明らかな肥満傾向と考えられる。この児の17は標準範囲に収まっているから、体格としては正常と評価できるね。
医学生医学生
小児科の実習で健診に入ったとき、母子健康手帳の成長曲線にプロットしていたのを思い出しました。指数とあわせて見るんですね。
ドクタードクター
いいところに気がついたね。指数は一時点の体格のバランスを示すだけだから、成長曲線で経時的な推移を見ることが大切なんだ。曲線から外れていく、あるいは急に横ばいになるといった変化のほうが、臨床的には重要なサインになることも多い。
医学生医学生
学童になったら、Kaup指数ではなく別の指数を使うんでしたっけ。
ドクタードクター
そう。学童ではRohrer指数を使うことがある。体重(kg)÷身長(cm)³×10⁷で、三乗になるのが特徴だ。おおむね115〜145が標準で、160以上で肥満とされる。さらに現在の学校保健では、標準体重との比較で求める肥満度が広く使われていて、+20%以上を肥満とするんだ。
医学生医学生
乳幼児はKaup、学童はRohrerや肥満度、大人はBMIと、年齢で使い分けるわけですね。
ドクタードクター
その整理で十分だ。あわせて発育の目安も押さえておこう。出生時はおよそ身長50cm、体重3kgで、1歳では身長が約1.5倍の75cm、体重が約3倍の9kgになる。この児の70cm、約8.3kgという値も、10か月としておおむね妥当な範囲だね。
医学生医学生
計算問題は単位で失敗しやすいので、kgとmにそろえる癖をつけます。
ドクタードクター
それが一番の対策だよ。健診の現場でも、計算ミスは保護者の不要な不安や異常の見逃しにつながるから、数値の意味を理解したうえで正確に扱うことが大切なんだ。

まとめ

Kaup指数は体重(kg)÷身長(m)²で求める乳幼児の体格指数で、計算式は成人のBMIと同じです。本問では8.33kg÷(0.70m)²=8.33÷0.49で17となり、おおむね15〜18とされる標準範囲に収まります。g・cmのまま計算する場合は体重(g)÷身長(cm)²×10とし、頭囲・胸囲は計算に用いません。学童ではRohrer指数(体重kg÷身長cm³×10⁷)や肥満度(+20%以上で肥満)、成人ではBMIと、年齢によって使い分ける点も整理しておきましょう。単位をそろえて正確に計算し、成長曲線による経時的評価と組み合わせることが、乳幼児健診で体格を適切に判断する基本になります。

解答・解説

正解はcです

Kaup(カウプ)指数は、乳幼児の体格(やせ・肥満の傾向)を身長と体重から評価する指標である。計算式は成人のBMI(body mass index)と同じであり、次のように表される。 Kaup指数 = 体重(kg)÷ 身長(m)² (単位をg・cmで計算する場合は、体重(g)÷ 身長(cm)² × 10)

計算

体重 8,330 g = 8.33 kg、身長 70 cm = 0.70 m である。 身長(m)² = 0.70 × 0.70 = 0.49 Kaup指数 = 8.33 ÷ 0.49 = 17.0 (g・cmで計算しても 8,330 ÷ 4,900 × 10 = 17.0 となり一致する) したがってKaup指数は17であり、乳児の標準的な範囲(おおむね15〜18)に収まる。頭囲・胸囲の値は計算には用いない。なお、10か月児で頭囲40 cm、胸囲43 cmという値自体も、頭囲より胸囲が大きいという通常の関係(生後1歳ころまでに胸囲が頭囲を上回る)と矛盾しない。

選択肢考察

  1. ×a.  13

    計算結果の17と一致しない。Kaup指数13程度は明らかなやせに相当する値である。身長の二乗ではなく、例えば身長を過大に入力するなど計算を誤った場合に近い値になりうる。

  2. ×b.  15

    計算結果の17と一致しない。15は正常範囲の下限付近であり、これを下回るとやせ傾向と評価される。

  3. ○c.  17

    8.33 kg ÷(0.70 m)² = 8.33 ÷ 0.49 = 17.0 であり、本児のKaup指数に一致する。乳児の標準範囲内であり、体格は正常と評価される。

  4. ×d.  19

    計算結果の17と一致しない。19は正常範囲の上限(18)を超え、肥満傾向と評価される値である。

  5. ×e.  21

    計算結果の17と一致しない。21は明らかな肥満傾向を示す値である。

小児の体格指数

・Kaup指数:体重(kg)÷ 身長(m)²。乳幼児(おおむね3か月〜5歳)に用いる。おおむね15未満でやせ傾向、15〜18(乳児では16〜18程度とすることもある)が標準、18〜19を超えると肥満傾向とされる。評価基準は年齢により若干異なる。 ・Rohrer(ローレル)指数:体重(kg)÷ 身長(cm)³ × 10⁷。学童に用いる。おおむね115〜145が標準、160以上で肥満とされる。 ・肥満度:(実測体重 − 標準体重)÷ 標準体重 × 100(%)。学童では+20%以上を肥満とし、現在の学校保健で広く用いられる。 ・BMI:成人の体格指数で、計算式はKaup指数と同じ。日本では18.5未満を低体重、25以上を肥満とする。

乳児の発育の目安

・出生時:身長約50 cm、体重約3 kg、頭囲約33 cm、胸囲約32 cm。 ・1歳時:身長約75 cm(出生時の約1.5倍)、体重約9 kg(約3倍)、頭囲約45〜46 cm。 ・胸囲は1歳ころまでに頭囲とほぼ等しくなり、その後は胸囲が頭囲を上回る。

POINT

・Kaup指数=体重(kg)÷ 身長(m)²(BMIと同じ式)。乳幼児の体格評価に用いる。 ・標準はおおむね15〜18。15未満でやせ傾向、18を超えると肥満傾向。 ・学童ではRohrer指数(体重kg ÷ 身長cm³ × 10⁷)や肥満度を用いる。 ・計算時は単位(kg・m)をそろえることに注意する。

※問題・正答は厚生労働省の公開資料をもとに掲載しています。